コラム

普通解雇と懲戒解雇の相違   

2021年3月20日

 裁判になったときに、普通解雇ならば有効と判断されていた可能性があるのに、懲戒解雇にしたため無効とされることがあります。

 

懲戒解雇は無効とされやすい

 懲戒解雇は、普通解雇に比べて無効とされやすいと言えます。懲戒解雇事由の、事後の追加ができません。普通解雇は、懲戒解雇に比べて有効とされやすいと言えます。解雇当時存在していたものである限り,解雇事由を事後に追加することができます。懲戒解雇は、普通解雇に比べ、労働者にとって大きな不利益を与えるものであるため、このような違いがあります。

 懲戒解雇を普通解雇に転換することはできません。裁判で、懲戒解雇としては無効でも普通解雇として有効であると主張することはできないのです。

 懲戒解雇とともに,普通解雇を行うことも可能です。懲戒解雇を行った後に,これが無効とされる場合に備えて普通解雇を行うことも可能です。

懲戒解雇をする場合は予備的に普通解雇も

 解雇を行う場合には、慎重な検討を行う必要がありますが、やむなく解雇する場合には、懲戒解雇だけを行うのではなく、予備的に普通解雇も行っておくべきです。

弁護士 植木 博路

(長崎、福岡で「企業側」の労務問題を取り扱っています)

植木博路ひろみち

長崎県弁護士会所属、弁護士法人 ALAW&GOODLOOP代表社員

主な取扱分野

不動産法務、労働法務(使用者側、人事労務管理に関する制度構築支援,就業規則の作成)、会社法務、株主総会対策、事業再生、M&A、契約書作成、債権回収、その他企業法務全般民事家事の示談交渉、調停、訴訟

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