
【事案】
長崎県内で印刷業を営む会社より、製品の取扱説明書につきPL法(製造物責任法)上のリスクがないか等、リーガルチェックをして欲しいとのご相談をいただきました。
【対応】
弊所にて、製品(試作品)の確認をさせていただき、また依頼者様から製品について詳細な聴き取りを行いました。そのうえで、依頼者様が作成した取扱説明書につき、PL法等の関連法令の内容をふまえ、リーガルチェックを行いました。
【結果】
弊所にて、依頼者様に対し、①PL法上の「欠陥」の定義及びどのような場合に「欠陥がある」とされるかにつき説明し、取扱説明書等の記載内容を充実させることで「欠陥がある」とされる場合を限定できることを説明しました。②具体的には、「通常予見される使用形態(本来の使い方ではないが、想定しうる誤用)」をふまえ、以下の3点を取扱説明書に明示することが重要であるという助言をさせていただきました。・禁止事項(してはいけないこと)、・危険の予見(したらどうなるか、どのような被害が出るか)、・緊急時の対処(事故が生じた際の具体的対応)です。さらに、③関連裁判例からの教訓として、以下の説明もさせていただきました。㋐部品の微細な危険: 組み立て時の注意不足による事故でも、指示・警告が不十分であれば責任を問われる(幼児用自転車事件)。㋑過剰使用への警告: 長時間・反復使用による健康被害に対し、具体的な限度や異常時の対処がないと欠陥とされる(日焼けマシン事件)。㋒長所の裏にある短所: 「割れにくい」等の利点を強調する場合、逆に「割れた際の特有の危険」も併記しなければならない(強化ガラス食器事件)。㋓表示の視認性: 警告は、購入者や使用者が必ず目にする場所(外袋や本体など)に、明確な形(図記号等)で記載する必要がある(こんにゃくゼリー事件)。また、④「取扱説明書を隅々まで読むユーザーは少ない」という実態を前提に、特に重要な警告事項は冒頭の目立つ箇所などに集約・記載し、誰もがリスクを認識できる構成にする必要を指摘させていただきました。
なお、弁護士は弁護士法上の守秘義務を負っておりますので、実際の事案と事実関係等を改変しておりますこと、ご了承ください。