コラム

弁護士に相談するタイミング 社会保険労務士と弁護士の違い 

2023年4月5日

 長崎、福岡で、「企業側」の労務問題を取り扱っている弁護士植木博路です。

1 まだ紛争になっていないのに、弁護士に相談する必要があるのか?

 こようなのご質問をいただくことがあります。これにについては、その必要があると言えます。

 労務トラブルの防止のためには、労務トラブルが発生する前から、その予防の段階で、企業側の労務問題、労務トラブルを重点的に扱う弁護士に、相談をしておく必要があります。

 私が関与させていただいた企業が、私にご連絡をいただいたのは、主に以下のタイミングです。

 労務トラブルが発生する前にご相談をいただくことも多いです。労務トラブルの発生前に関与させていただいた方が、トラブルの発生自体を防止できたり、トラブルが発生した場合の企業側の損失を最小限に抑えることができる可能性が高いことは言うまでもありません。

  ア 裁判所から訴状や労働審判申立書が送られてきた

  イ 弁護士名で内容証明郵便が送られてきた。

  ウ 労働局からあっせん開始通知書が送られてきた

  エ 労働基準監督署の調査が入った

  オ 問題のある従業員の対応に頭を悩ませている

  カ 労災事故が発生した

  キ あらたに就業規則を作成したい、今ある就業規則を見なおしたい  

  ク 日々の労務管理について疑問な事があるので、相談をしたい

  ケ 労務管理を担当する従業員の負担を減らしたい

2 社会保険労務士と弁護士の違いは何か?

 このようなご質問をいただくことがあります。

 当事務所も、社会保険労務士の先生に顧問をお願いしています。

 また、当事務所が社会保険労務士事務所の顧問をさせていただいており、さらには労働関係法令等に関する研修会に参加したときなど、社会保険労務士の先生との接点が数多くあります。

 私自身も、社会保険労務士資格を保有(2004年11月に社会保険労務士試験に合格)しており、その頃から、付き合いの続いている社会保険労務士の先生もいます。

 社会保険労務士の先生の中には、労働関係法令に関する最新の改正情報をいち早く勉強していたり、諸手続に関する実務上の知識を豊富に持っていたりする先生もおり、そのような先生から学ばせていただく機会は、大変貴重です。

3 社会保険労務士と、企業側の労務問題、労務トラブルを重点的に扱う弁護士との違いは、何か?

一番の違いは、

 ①弁護士は紛争の中に飛び込み、その解決まで関与することができまたその経験が豊富である

 ②弁護士は、最終の解決の場面(裁判、労働審判、団体交渉、示談交渉等)を熟知している

 ③最終の解決の場面を想定しながら、従業員との対応についてアドバイスができる

 ④最終の解決の場面を想定しながら、就業規則を作成したり、労働契約書を作成したり、人事労務管理に関する制度を設計できる

という点にあると思います。

 企業側の労務問題、労務トラブルを重点的に扱う弁護士は、労務トラブルを熟知しています。そして、紛争の実態から逆算し、労務トラブルを予防する方法も熟知しています。

 労務トラブルの予防のためにも、企業側の労務問題、労務トラブルを重点的に扱う弁護士を活用していただきたいと思います。

弁護士 植木 博路

(長崎、福岡で、「企業側」の労務問題を取り扱っています)

植木博路ひろみち

長崎県弁護士会所属、弁護士法人 ALAW&GOODLOOP代表社員

主な取扱分野

不動産法務、労働法務(使用者側、人事労務管理に関する制度構築支援,就業規則の作成)、会社法務、株主総会対策、事業再生、M&A、契約書作成、債権回収、その他企業法務全般民事家事の示談交渉、調停、訴訟

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